「男性はなぜ”緑”の服が好きなのか。」
伊丹十三とフーテンは70年代の日本を象徴する組み合わせ。
日本中に存在する我々のようなセレクトショップや
オリジナルブランドを展開する”洋服屋”に必ず陳列されている”緑”は
形や生地は違えど安心感と絶大な安定感を持って鎮座している。
でもなぜ”緑に惹かれるのか?
以前、紹介した”赤”に引き続き、今回は”緑”にターゲットを絞り
”緑”の魅力についてお話を進め、
その話に沿って当店で展開している”緑”を幾つか紹介していきたいと思っています。
そもそもこの”緑”が、
ファッションコンテンツとして大きく変化した理由や背景には、
1960年〜70年代に大流行した”Hippie”の文化が関係しているとか。
友愛と解放をモットーに誕生したカウンターカルチャー”ヒッピー”
こそがそのルーツにあり、平和を願う”LOVE&PEACE”の考え方で
軍服を逆手に取ったファッションが流行。
この流行こそが”緑”の人気に拍車をかける出来事として認知されています。
そのほかにもグリーンは”アースカラー”とも言われ、
比較的ファッションに取り入れやすい色として親しまれ
大きなムーブメントはないものの、今や”定番”の位置付けで
多くのファッショニスタから愛される色です。
日本国内でも空前の90年代や2000年代のファッションが
若年層(高校生〜大学生を含む)に人気を集めており
カーゴパンツやトラックジャケットにスニーカーやブーツが
絶大な支持を得ているのも肌感でわかるレベル。
そして神戸でも根強い”アメカジ”というカルチャーでは
アメリカの”緑”とは切っても切り離せない強い関係性が存在します。
当店でも”緑”の商品は非常に人気が高く親しまれている”緑”ですが、
今回はそんな”緑”を紹介していきます。
No,1
ENGINEERED GARMENTS
PATHINDER JACKET
“PC Coated Cloth”
¥94,600- (in tax)
https://www.tigersbro-online.com/product/16692
ブランドらしさが光る逸品ながらも
オーセンティックなミリタリーウェアのディテールを押さえた
非常にマルチに活躍するパスファインダージャケット。
今作に関しても、サイズ感はゆったり目で
レイヤードファッションを楽しんでいただけるデザインになっています。
また機能美に関しては中綿を内蔵することで、保温力の強化。
表地にはポリエステル×コットンをベースにコーティング加工を施されており、
心地良いハリと独特のマットな質感が特徴で、
着る程に雰囲気の良さが増す独特の経年変化も発生。
それだけでは無く、ブランドのアイコンでもある”ポケットの配置”
に関してもエッジが効きすぎない非常にシンプルで
様々なアイテムにも溶け込むデザインが落とし込まれています。
アメカジともワークともミリタリーとも少し違う
新たな”緑”と言える逸品です。
–
No,2
A VONTADE
Salvage Parka -Modify-
Jungle Fatigue Ripstop
Khaki
¥35,200- (in tax)
https://www.tigersbro-online.com/product/16502
こちらもブランドらしさが光る”緑”をご紹介いたします。
アボンタージは往年のミリタリーアイテムや
アウトドアアイテムをベースに現代的な再構築を行ない
独自のエッセンスを搭載した新感覚のアイテムを世に送り込み
多くの人気を集めるドメスティックブランドです。
今作は、1940年代のU.S.Navyサルベージパーカーをベースに作成された
プルオーバータイプのミリタリーパーカー。
世界中に数多存在するヴィンテージミリタリーアイテムの中でも
非常に高い人気を誇るサルベージパーカーは、
座礁船の引き揚げなどの救助や、
危険物処理の際に使用されていたスモックパーカーで、
ガスマスクを装着するための口元まで覆うことができる
大きく膨らんだフードが特徴的。
素材には1970年代に米軍で実際に使用されていた規格を忠実に再現した、
高密度に織り上げられたコットンリップストップを採用。
肉厚でしっかりとハリコシのある肌触りが心地良く、
切り裂き強度などの耐久性に優れ、
着る程に独特の雰囲気の良さも増し、
アタリなどの経年変化をお楽しみいただけます。
当時の雰囲気を忠実に再現しながら
現代のフィルターで見た世界観を表現した”緑”となっています。
–
No,3
BARACUTA
G4 BARACUTA Cloth
“Regular Fit Driving Jacket”
Racing Green
¥53,900- (in tax)
https://www.tigersbro-online.com/product/16704
紹介した2つの商品はいわゆる”軍物”
先の大戦で勝利した戦勝国のユニフォームをベースに作成された”緑”ですが、
こちらは背景が少し異なり、衣服文化が歴史を物語る
英国の誇るジャケットブランド”バラクータ”からの新たな刺客です。
通称”ドライビングコート”として親しまれている”緑”は
シーズンごとに色彩豊かなカラーバリエーションを展開していますが、
当店では”IVY LOOK”を意識した”レーシング・グリーン”をチョイス。
一見、アメリカが誇るIVY leagueの名門ダートマス大学
こちらのイメージカラー”ダートマスグリーン”のようにも見えますが
スポーティーで洗練された雰囲気を持つそれは、英国製ならではの
唯一無二の存在感を演出し、気品漂うた佇まいを演出します。
ブリトラ一閃のカジュアルながらの独特な世界観は
全く違う”緑”を作り上げ、”大人の休日”に欠かせないマストアイテムに。
軍物の”緑”とは異なるアプローチで”ニッチな層”に向けた
新提案の”緑”となっています。
ー
緑の色言葉は、
「 平和・バランス・癒し 」
昨今の世界情勢はまさに戦前のごとく”混沌とした状態で
上記にも記した緑の色言葉の意味も薄れており
どうも”緑=軍服”このようなイメージが非常に色濃く残っています
しかし、ミリタリーにも様々なロマンや格好よさが存在することは確かで
”緑”の本当の意味を紐解くことでその良さを引き立て親しむことができます。
今現在でも”日本国内は安全”なの知れませんが、
世界の至る所では様々な要因が重なり”紛争”や戦争”が絶え間なく行われ
多くの命がなくなり続けています。
戦争がなくなることが平和に直結するとは言い難いですが
少しでも対等に人々が歩み寄ることで「平和」の輪郭が徐々に濃くなり
春の恵みの季節のような新緑の平和が訪れるかも知れません。
まさにLove&Peaceです。
また、戦争以外にも人間の営みの中には逃れることのできない
”ストレス”を中心とした精神的な疲弊と、過度な肉体的な疲弊によって
「救えるはずの命」が途絶え続けています。
生きる上での完璧な「答え」は存在しないと思います。
が、生きて行く中で自分自身が充実した時間を過ごすための
限られた僅かな幸福を探してそれらを目指すことで
心身の比重を整え、よりよいライフタイルの形成をおこなことが
いわゆる「バランス」につながり、余裕が生まれる。
その余裕こそ自身にとっての「癒し」となり
初めて緑の意味が成り立ちます。
皆様にとっての”緑”を見つけていただき、
より良いライフスタイルを形成してただければ幸いです。
今回ご紹介した洋服もバックボーンは違えど
”憧れ”や”格好よさ”が凝縮した逸品ばかり。
お気に入りの1着を手に入れてそれを「癒し」にしていただき
すぐそこにある”新しい日々”をお過ごしください。
坂本