言わずとしてれた名盤MICHAEL（ミカエル）

この世に送り出されてから80年の歴史を数える伝統的な一足は
多くのユーザーに愛され、現在デザインや製造方法を変えることなく生み出されています。

1943年、Parabootの二代目開発した労働者向けチロリアンシューズ
”MOZINE（モジーン）”が誕生。
踵のヒール部分に補強目当ての3本ステッチが施されており
入口もやや広い設計となっているため着脱がしやすくタフな一足でした。

このモジーンのヒット受け、1945年
さらに洗練したディテールをプラスし誕生したのがMICHAEL。

特徴的な丸みのあるフォルム、そして全天候対応可能な抜群の強度。
前作のモジーンが”労働者向け”に作成されましたが、
このミカエルは”完全な街向けデザイン”として生み出されました。

モカ縫いのアッパーに加え、適度なボリューム感と快適さが魅力のラバーソールを
ノルウィジャン製法で縫い付けられており、上品かつカジュアル
そしてハイスペックな強度を兼ね備えた新感覚チロリアンシューズとして大ヒット！
一時的に経営が傾いた際も、ミカエルの人気で軌道修正を行った逸話もあるほどです。

そのミカエルについて今回は詳しくお話を進めていきます。

ー

ミカエルの大きな特徴はやはりフォルム。

ぽってり丸みを帯びたアッパーデザインに地厚なラバーソール、
そして一際目を惹く極太のウェルトステッチは、チラ見レベルでも認識できるほどに
アイコニックなディテールとして浸透しています。

使用しているラバーソールにも正式名称があります。
・マルシェ2ソール

対摩擦性に優れており、現行のParaboot製品では最も歴史が深いソールです。
アウトドアシーンで見かけるトレッキングブーツなどはトレッドが高く
凸凹の高さや範囲を広く取ることで岩肌や地面を噛むグリップ力を追求されていますが
ミカエルはあくまでも”タウンユース向けデザインがコンセプト”となっているため
トレッドが浅めの設計でよりスタイリッシュな印象となっています。

※トレッドとは、路面との接地中心面の距離また全文の範囲を指す単語

そして踵部分に関してはソール厚を約2,5cmに設定されているため
長年着用してもなかなかすり減ることもなく頑丈な作りとなっています。

また、一般的に曲線で用いられるヒールの切り替えに関しても
斜めに一直線のデザインを採用しているのもミカエルの特徴といえます。

たっぷりと設けられたヒールカップは、履きはじめからすんなり足に馴染む構造となっており
ドレスシューズやローファーなどに発生しやすい”痛み”を感じることなく着用いただけ
ストレスとは無縁の履き心地を体感していただけます。

また、フィッティングもゆったりと感じるため通常のサイズよりハーフ下のサイズが目安となりますが、ゆったりお召しになりたい方はそのままのサイズでもOK。

アッパー部分の極太ステッチを使用したノルウェイジャン製法は
雨水の侵入を防ぐため丸い波状のカットにすることでほっこりとした
丸みのあるフォルムを後押しします。

そしてミカエルはもとより、様々なアイテムに採用されているラストが「Last 110」
ラウンドトゥの木型となており、捨て寸が少なく甲は高め、横幅も広い設計になっており
比較的日本人を含むアジア圏の方々でも着用しやすい木型となっています。

ー

ここまでディテールをメインにお話を進めてきましたが
何よりミカエル最大の特徴は、汎用性ではないかと私は感じています。

もちろん私自身もミカエルをこよなく愛するユーザーとして
そのクオリティ、履きやすさ、汎用性の高さを体感しているのですが
特徴的な丸みのあるフォルムは、公式なドレスシーン以外
多くのファッションスタイルでお楽しみいただけるデザインとなっています。

代表的なトラッドスタイルをはじめ、現代では高機能なテックアイテムしかり
スウェットパンツやトラックパンツなど、組み合わせは多岐に渡ります。
変幻自在にその姿を変え、適材適所に活躍する様はまさにオールラウンダー。

またベーシックなカラーリングも相まって各々の好みに応じたセレクトが可能。
硬派なブラック、上品なカフェ、フラットなマロン。
その他にもヌバックグリンゴやスウェードレザーなどなど
自分好みの一足を選ぶに適したラインナップも嬉しいところです。

そして革靴好きが一番着目する点がエイジングではないでしょうか。
新品・未着用の凛とした佇まいは圧巻の美しさと上品さを兼ね備えていますが
3年先・5年先の姿の方が愛着を持って着用した証であり、愛情であると考えます。

私自身が着用して4年の姿がこちらです。

特にこまめなメンテナンスはしておらず
２ヶ月に一回程度のクレンジングとオイル補給でこのエイジングになります。

つま先部分にかけてのテンションや沈み、ライニングの色味など
肌に接する箇所全てが全くことなく変化となり
履く方によっても全く違う表情が生まれるのが革靴の魅力です。

またParaboot製品は純正のパーツを使用したリペアができ
国内総代理店直轄のリペアショップをはじめ、直営店舗でのメンテナンスも可能。
愛着を持って履き続けるには定期的なメンテナンスやリペアが必須になりますが
プロの手によって新しく生まれ変わることによってまた長い期間愛用できる
その繰り返しが本来あるべき”ものの考え方”であると私自身は思います。

世界的なファストファッションの浸透で安価でシンプルなスタイルがベースの昨今ですが
足元はやっぱりいい靴をセレクトしたい。
高価なものには高価になる理由やギミックが必ず踏襲されています。

このミカエルについても同様で、安心感を与える汎用性抜群のデザイン。
どんな天候でも臆することなく着用できる耐水性と強度。
そして緻密な設計と縫製があって初めてミカエルがミカエルとしての価値を生みます。

私のこの爆発的なミカエル愛を感じていただいて
少しでもこのミカエルに興味を持っていただければ幸いです。

自信を持ってお勧めできる大ベストセラーシューズ”ミカエル”

是非、お見知りおきを。

ー

Online Page
https://www.tigersbro-online.com/product-list/121
Price ¥94,600- (in tax)

ー



坂本